2012年5月15日火曜日

治療方法 | 社交不安障害の治療 | 社交不安障害(SAD)


医療機関を受診し、社交不安障害と診断されたら治療が始まります。
社交不安障害の治療は、主に薬物療法と精神療法があり、単独で用いたり、また組み合わせたりしながら治療を進めていきます。

薬物療法

薬は社交不安障害の患者さんが感じている、耐えがたい緊張や不安を和らげるために使用します。これまで大きな不安のために避けていた状況に、薬の力を借りて患者さんが少しずつ慣れるようにしていきます。大きな不安を感じていた場面がだんだん平気になってくると、自信がついてきます。行動を制限していた緊張や不安を薬で抑えることで、苦手なことを一歩ずつ乗り越え、ひとつずつ成功体験を積み重ねていくことにより、社交不安障害の改善につなげていくのです。


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患者さんの中には、社交不安障害を薬で治すことに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし昔と比べて、精神科で用いられる薬にはより副作用が少なくなった新世代の薬が登場し、多くの患者さんの症状の改善に役立っています。
もちろん精神科に限らず、どんな薬にも副作用は少なからずあります。そのため医師は副作用の特徴をよく理解しコントロールした上で、効果を最大限に引き出す投薬指導を行います。正しい薬の知識をもち、適切に薬を飲めば大きな効果が期待できるのです。
特に社交不安障害は治療を始める頃には発症してから長い期間が経っていることが多く、治療にはある程度の期間が必要だといわれています。治療期間はその人の症状によって異なりますが半年から一年、また人によってはそれ以上の期間を要することもあるようです。しかし指示通りに服薬し、治療を続けることで多くの症状が軽減し、苦手だった場面に対応できるようになっていきます。
代表的なおくすりの種類と特徴を紹介しましょう。


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1.SSRI

SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)は社交不安障害の薬物治療の基本となる薬です。社交不安障害を引き起こす原因のひとつとなっている脳内物質のアンバランスを整え、不安を感じやすくなっている脳内の状態を是正し不安を感じにくくするといわれています。

SSRIは定期的な服用を続けることで、不安や緊張が過度に生じることを防ぎます。落ち着いた精神状態をつくることで、患者さんが苦手なことを避ける回避行動を少なくし、長期的に新しい行動パターンの獲得につなげます。


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2.抗不安薬
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)も患者さんの気持ちを落ち着かせ、不安や緊張を和らげる働きをします。SSRIに比べて即効性があるため、スピーチの前に飲んでおくといったように、必要なときだけ使うこともできます。抗不安薬は脳内の神経伝達物質であるGABA(神経が過剰に興奮しないようにコントロールする脳内物質)の働きを強めます。ただし人によっては軽い依存性が出る場合があるため、漫然と使用することは避けます。

社交不安障害という診断が下されても、恐怖を感じる状況や苦しさ、また併発している病気など、患者さんによって様々な違いがあります。そのため使用されるくすりの種類や量は患者さんの状態にあわせて使用されます。


精神療法

薬物療法と共に社交不安障害の治療の柱のひとつとして有効とされているのが精神療法のひとつである「認知行動療法」です。患者さんご自身がなぜ不安や恐怖を感じるのかを知り、不安をコントロールしながら、これまで避けていた状況に立ち向かうことができるように訓練します。
患者さんの回避行動のパターンには、ある出来事に対する患者さんの偏った考え方が伴います。認知行動療法は、特定の回避行動をとらせてしまう様々な認知のゆがみ(思いこみや考え方の癖)に患者さん自身が着目し、違った視点に立って物事を解釈することで、行動を変えていこうという試みです。認知行動療法でこのほかにとられる手法としては、「エクスポージャー(暴露)」と呼ばれるものがあります。これは電車に乗ることができないという患者さんであれば、まずはホームに行くということから始め、次に不安を感じればすぐに降りることのできる各駅停車の電車に乗り、次に急行の電車に乗るといったように、あえて苦手な状況に身を置いて段階を追って苦手な状況に対応できるようにしていく療法です。


また森田療法も有効な治療法として用いられています。治療の流れは「恥ずかしがってはならない、堂々としていなければならない」といった思い込みによって社交不安障害の症状が生じてしまう悪循環を断ち切るため、まずは自分の感情をあるがままに認め、不安や緊張する自分と向き合うことから始まります。その後、医師と患者さんとの対話の中で治療の目標を設定し、目標に向かう中で患者さんの偏った考えや行動を徐々に修正し、行動範囲を広げていきます。

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