妊娠中毒症の予防について
妊娠中毒症は、悪化するとママの体や赤ちゃんの体に深刻な影響を与えてしまうこともあります。定期的に行われる妊婦健診の目的の一つは、そんな妊娠中毒症をできるだけ早く発見し、かかってしまったら症状の軽いうちに抑えることです。症状を見逃さないために、また、かかりにくくするためにどうしたらいいか、考えましょう。
■妊娠中毒症ってなに?
妊娠中毒症とは、妊娠に対してママの体がうまく適応できない状態をいいます。
ママの体は、おなかの赤ちゃんを異物とみなし、赤ちゃんが体内にいることにより、体のいろいろな機能をそれに合わせようとしていきます。たとえば、お産のときの出血に備え、次第に血液が固まりやすい傾向になります。
こうした変化に対して、体に負担がかかりすぎると、血圧が高くなったり、尿にタンパクが出てきたり、むくみが生じたりといった「不適応」の症状が出てきます。この状態が妊娠中毒症です。ほとんどの場合、赤ちゃんを出産して各器官への負担がなくなると、こうした症状は治まります。
不眠症赤ちゃんが眠っている
■妊娠中毒症の主な症状は?
妊娠中毒症の主な症状は、高血圧、尿タンパク、むくみの3つです。この3つがそろわなくても、どれか1つが出た場合、数値によっては妊娠中毒症と診断されます。また、体重が1週間に500g以上急激に増えた場合も、妊娠中毒症の始まりと考えて対処することもあります。少しの報いだけが出ているときには、要注意ではありますが、妊娠中毒症とはいいません。
■妊娠中毒症はおなかの赤ちゃんにどんな影響があるの?
妊娠中毒症になると、血管が収縮して、血液の循環が悪くなります。胎盤へ向かう血液の量も少なくなり、おなかの赤ちゃんへ十分な血液が流れなくなることがあります。万が一重症化すると、赤ちゃんが十分な栄養や酸素を受け取れなくなって発育が遅れ、体重が増えなくなったり、元気がなくなったりすることがあります。最悪の場合、赤ちゃんが子宮内で仮死状態になることも。
このような症状が予想される場合、母子を危険から守るため、まだ生まれるには早い時期であっても人工的に出産させることになります。生まれた週数や赤ちゃんの状態によっては、NICU(新生児集中治療室)に入らなければならないこともあります。
新生児の顔の発疹
■妊娠後期にかかりやすいのはなぜ?
妊娠中毒症が発症しやすいのは、妊娠36週以降。妊娠中毒症にかかる人のほとんどがこの時期に発症します。後期になると赤ちゃんが大きく育ち、より多くの血液を必要としてママの血液量がますます増え、さらにママ自身も体重が増えて、各器官にかかる負担も大きくなってくるからです。
■妊娠中毒症はどんな人がなりやすいの?
妊娠中毒症が起こる詳しいメカニズムはよくわかっていませんが、かかりやすい妊婦さんのタイプはある程度わかっています。
もともと慢性腎炎や高血圧症、膠原病(こうげんびょう)、糖尿病などの持病がある人、両親やきょうだいにそれらの持病を持つ人がいる妊婦さんは、初期のうちから十分な注意が必要です。また、前回の妊娠で妊娠中毒症になった人も、こうした体質を持っているということで、今回も初期から要注意です。いつも過労状態にある人や、妊娠前から、あるいは妊娠してから太りすぎた人もなりやすいとされています。
判決で産後うつ病経過
ただし、こうした要因があるからといって必ず妊娠中毒症になるというわけではありません。当てはまる人は主治医の指示を守り、十分注意を払って生活してください。
■次回の妊娠にも影響はあるの?
一度妊娠中毒症にかかると、次の妊娠でもかかりやすくなり、前回よりもひどくなることがあります。体質もそうですが、生活習慣が原因で引き起こした場合は、産後も同じ症状が続きやすくなります。
次に妊娠したときは、必ず主治医に前回の妊娠で妊娠中毒症になったことを伝えましょう。妊娠経過や出産の様子などを知った上で妊娠初期のうちから、発症しないよう、もし発症しても早期発見、早期治療が行えるように注意深く観察していきます。
■妊娠中毒症を予防するには?
日常生活に気を配っていけば予防は可能です。妊娠中毒症は妊娠そのものが原因ですから、その原因を取り除くわけにはいきませんが、妊娠によってかかる負担を少しでも軽くすることがカギです。
まずは体を疲れさせないこと。つかれがたまってきたなと思ったら、早めに休むことが大切です。体だけではなく精神的な疲れも禁物です。ストレスをためないようにしましょう。
そして、食生活にも気をつけましょう。塩分を控えること、低カロリーに抑えること、高タンパクのものをとることが予防の3大鉄則です。
最後に体重増加に注意しましょう。食生活を見直すことで太りすぎも抑えられるはずですから、注意を怠らないようにしましょう。
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